勢川びき
1999年12月5日

No.22「ゆっくりね」

 江実が退院して一週間が経ちました。
 それまでとは全く生活パターンが変わりました。
 まず、毎日の病院通いがなくなったこと。
 それと、普通の赤ん坊と同じで3時間ごとにミルクを与えるので、私は深夜3時担当となって、毎晩その時間に起きるようになったこと。江実の場合は最初に飲めるだけ哺乳瓶でミルクを与えた後、残りは鼻からのチューブを通して点滴のようにして与ます。総量は3時間ごとに60cc。

 退院直後は、哺乳瓶から飲める量はせいぜい30ccだったのが、だんだんと増えていきました。12月1日の私の担当の回に初めて60cc全てを自力で飲むことができました。妻や私の母はその様子を見ていて大喜びでした。

 でも、それがいけなかったようです。

 12月3日(金)の夜7時半ごろに妻から会社に電話があり、どうも江実の様子がおかしいとのこと。息がいつもより荒いようだというのです。
 担当医の小児科に電話し、近くのER(Emergency Room)を紹介してもらい、夜10頃に連れていきました。
 熱もなく、脈拍も正常で、普通の子であれば心配に値しないレベルですが、念のために連れてきましたというと、とても丁寧に診察してくれました。

 結局、特に問題は見つからず、診察が終わる頃には息使いもほぼ正常に戻っていました。

 ドクターの話によると、多分、少し疲れがたまっているのだろう、ということでした。
 60cc全てを自力で飲んでから、私・妻・母で競うように「今回はXXccだった」と言うようになってしまい、長時間かけて無理やり飲ませるように無意識のうちになっていたようです。  それからは、無理しないようにするようになりました。そうすると、30から40ccが普通となりました。

 江実から「お父さん、ゆっくりね、焦らないでね」と咎められたような気がします。

 そう、ゆっくり、ゆっくりよくなろうね、江実。

* 写真は12/5撮影。江実は笑うとき大きく口を開けます。


次回へ/「がんばれ江実」へ/「BIKIBIKI」ホーム